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個性

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 先日、口琴とホーメイのワークショップに参加した。
講師はトゥバ共和国のホーメイコンクールで受賞歴のある日本人男性。

 口琴は、金属や竹で作られている10センチほどのもので、歯に当てたり
唇の前に置いたりして楽器を振動させ、その振動を口の中で増幅させ倍音
を出して演奏する民族楽器だ。ヨーロッパをはじめアジア各地や、日本国内でも
アイヌ民族も、竹製の口琴を持っている。

 今回のワークショップで初めて口琴を手にした。私は自分の物を持って
いなかったので、講師が貸してくれることになっていた。講師は、いくつか同じ形の
口琴を並べ、端から一つ一つ鳴らしていった。

 一本目を鳴らしてみた後、二本目の音を出したとき、私はハッとした。
その二本の音が全然違うものに思えたからだ。一本目はちょっとぼんやりした
感じだったのだが、二本目は明るく、そして元気な音だった。三本目を講師が
鳴らしたとき、私は楽しくなっていた。三本目はまた違った音を聞かせてくれた
からだ。講師はどれも同じように「音を出して」いて、形も同じ、作られた国も
同じだったのに。三本目はちょっと恥ずかしがりやのような、そして四本目は
高い音でコロコロよく笑うような・・・五本目はちょっと太めな感じ。


 金管楽器を吹いてきたが、今まで、吹きやすさとか音の出しやすさだけ気に
していた。こんな小さな、金属を曲げて作っただけの全く同じに見える民族楽器、
音の違いというより個性を感じたと同時に、今までの楽器に「楽器そのものの個性」
を感じてきただろうかと振り返るきっかけになった。楽団では、楽器ソノモノと言うより、
奏者のテクニックや奏者自身の個性が立つからだ。


 恥ずかしがりの口琴には朗々と歌い上げてもらったらどうか、コロコロ笑うのには
是非暗い曲を、など想像がふくらむ。
私が手に入れた明るく元気な子には、何がいいだろう。

by dimanamana | 2008-02-06 16:15 | 楽しいこと。  

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